2021년 11월 10일 수요일

Erewhon / エレホン / 에레혼

きっかけは一冊の手記だった。
偶然手に入れた手書きの手記に記されていた“地図にない村”。
そこは――

狂い咲く椿、一足早い紅葉、沢山の赤い花々。
気が狂いそうに赤い森に囲まれた山奥の寒村、来待(きまち)村。
青年はその村に来訪神(まれびと)として迎えられる。

ようこそ、おいでくださいました。御廻様(おめぐりさま)。
今年の祭りは二十年に一度の特別な式年大祭でございます。
この者たちは、この特別な年に訪れる御廻様のために生まれ育った
斎(いつき)の者たちでございます。
ふたりは毎夜交代で伽に参ります。
村の美しい娘を一夜妻として神に差し出す……
これは古代からつづく大切な斎の儀式。
神を歓待するための、神聖な行為なのです。






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